エリートな彼に甘く奪われました
「そ、そうだ、お風呂!沸かして来ますね!ほんと、風邪引いちゃいますよ」

まだ何か言いたげな彼の腕を取り部屋へ上がらせる。

部屋の電気を点けると彼は珍しそうに辺りを見回してから、

「きちんとしてるんだね。女の子らしくてキレイな部屋だな」

と言ってまたふわっと微笑む。

だからっ、やめてよ、その笑顔は反則だわ。

ドキドキが止まらないから……。


「あ、あんまり見ないで下さい、色々置いてあるから恥ずかしいわ」

私は赤くなった顔を見られない様に急いで浴室へ向かった。

バスタブにお湯を張りながらふと考える。

森山さんと浅香さんは本当に何でもないのかしら。

中井さんと上原さんと木原さんだって、…さっきは驚いたわ。

自分の目の前で繰り広げられた先ほどの激しい光景が蘇る。

森山麻耶を突き飛ばした三人、その後ろに一緒にいた四人、全員庶務課の面々であった。




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