マジで恋する10秒前!?
あたしが、そう言った瞬間に辺りが、ワァッと活気に包まれる。



あたしのライブを精一杯、楽しむだけ!



ただ、それだけの事!



「それじゃあ、一曲目っ『シークレット・ガーデン』」


そっと目を閉じて、神経を研ぎ澄ませる。



とても短い期間の練習だったけど、悔いは残って無い。


特注の衣装も、曲の順番も、ライトも、音響も。



全部全部、頑張ったから。



笑顔を忘れずに、しっかり体を動かして、大きく口をあける。



当然、“口ぱく”なんてしない。



アイドルはアイドルでも、あたしは梓川家の長女だから。



みんなに、あたしの想いを届けるだけ。
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