─仮面─偽りの微笑み

学校に寄り2人を拾うと、俺達は会社へと向かった。



「あのっ棗さん?」



「なんだ」


「私が会社になんて着いて行っても構わないんですか?」



「あぁ、気にすんな俺が連れて行きたいだけだから」



「棗さん…///」



助手席からうっとりと棗を見つめる繭璃。



「ちょっと!あたし達の存在忘れてんじゃないわよー!!」



「ちっ」



「棗…舌打ちはないよぉ」



後部座席の2人が文句を言う中、棗は片手をすっと繭璃に伸ばし指を絡め取った。



そのまま車を会社へと進めた。



───…
──…


「ほっ、本当にいいんでしょうか?!」



怯える繭璃の手を引き、俺はエレベーターへと向かう。



「俺がいいっていってんだからいんだよ!」



「お兄ちゃんって強引…ドSだよね」



「うん…だなっ」



後ろの2人は呆れ顔でそれを眺めていた。



「おい…置いてくぞ」



そんな修一と美麗に棗は振り向き、冷たく言い放つのだった。



「「やっぱドS…」」



と2人は顔を見合わせ、慌てて棗達の元へと駆け寄った。

< 153 / 268 >

この作品をシェア

pagetop