─仮面─偽りの微笑み
◇揺るがない心

--Venusを後にした棗と繭璃は、棗のマンションの部屋にいた。



「繭璃…抱きたい今すぐお前が欲しい…」



我慢の限界なんだ…囁いた棗は、荒々しく繭璃の唇を奪う。



「ん……ふ…ん…」



絡まり合う舌に、響く水音…漏れる吐息に高揚していく身体。



「好きだ…」



何度も何度も囁いては、繭璃に口づけた。




こんなにも愛おしく思える女は、もう二度と現れないだろうな…棗は繭璃を抱きしめる腕に力を込めた。



「何があっても…お前だけは失いたくない」



「…棗さん…ん…ふっ」



飽きるほど口づけを交わしても、まだ足りない…。



「ごめん…お前といると抑えきかねぇ…」



繭璃を抱きしめた棗は、深い溜め息を吐きだした。
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