─仮面─偽りの微笑み
冷静を装ってはいるが、興奮と欲情を棗は必死に抑えていた。
気を抜けば、繭璃の甘い香りに酔ってしまいそうだった。
"走る密室"は想像以上にヤバい。
「あのっ…棗さん?どこに行くんですか?」
「んっ?あぁ俺んち」
「えっ…棗さんのお家って…」
「あぁ…俺普段は別のとこ住んでるから…偶々実家に帰ってお前に会った…運命だと思わないか?」
「運…命…?」
「そう…運命」
信号待ち、棗は片手でその白くて小さな手をとり口づけた。