─仮面─偽りの微笑み

マンションに着いた俺達、今まさに繭璃が部屋へと足を踏み入れようとしていた。



「此処に入ったらもう引き返せない…本当に俺の女になってもいいのか?」



少し驚いたように俺を見上げた繭璃。



こんな事を言われるとは思わなかったのだろう。



「あのっ…棗さんこそ私なんかでいいんですか?」



「私なんか…じゃなくてお前がいいんだよ?繭璃」



私なんか…か…そんなこと思っていたのか?可愛すぎるんだよバカ。



「じゃあ…どうぞ俺の城へ姫」



扉を開け繭璃の手を引き、中へと誘い込んだ。



モウニガサナイヨ…



思わずニヤリと微笑んだ俺を繭璃は知らない。
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