─仮面─偽りの微笑み

上目遣いで俺を見つめる繭璃。



それだよ…俺を狂わす甘い香りと潤んだ瞳。



まるで、咲き誇る花が甘い蜜の香りを漂わせ、蝶を誘うよう。



お前は美しい花。



そして俺は狂ったように蜜を吸う蝶だ。



花を壊してしまう程に…



「いい子だ繭璃…いい子には何があるんだっけ?」



「えっ…あのっ…そのっ…ごっ…ごっ」



下を向きもじもじとしている、そんな所が見たくて意地悪な言い方をする。



「んっ…何だよ聞こえねー!ちゃんと言わなきゃわかんねーなぁ♪」



「ごっ…ご褒美ですっ」



「ご褒美がどうしたんだ?欲しいんならちゃんと言えよ…下さいって」



「……つっ…///」



「いらないか」



俺はソファーから立ち上がった。



「ごっ…ご褒美下さいっ///」



言い終えた繭璃は、見る見るうちに耳まで真っ赤になっていく。



更に潤んだ瞳は俺を煽るばかりで、誘われる様にソファーに戻った。
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