ほらね。【完】


「おぉー!結構力あるね」

「当たり前だろ。俺ちゃんと男だからな」

数分、ザクザクと掘り返した。
すると、

―カンッ―

スコップが金属に当たる音がした。

「「お!」」

俺と円佳の声が揃った。
俺と円佳は目を合わせて頷くと、今度は手で掘り返す。

円佳はネイルで爪を綺麗にしているのに、そんなのお構いなしで、どんどん掘り返していく。


すると、あの時埋めた缶箱が少しずつ顔を出した。


「よし!引っ張りだそう」

「いっせーのーせっ!」

俺と円佳は一気に缶箱を引っ張りだした。
缶箱はポンッと出てきて、その勢いで、俺たちは尻もちをつく。

「いってぇ…」

俺は尻を叩く(はたく)。

「でてきた!!」

円佳は自分の格好なんて、気にせず缶箱に飛びつく。

「んーっ」

一生懸命フタを開けようとするけど、十七年も開けられることのなかった缶箱。
そう簡単に開くわけない。

「貸して」

俺はそう言うと、円佳の手から缶箱をとって、力を入れる。

すると

―ボンッ―…

缶箱は開いた。


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