刑事の秘めごと~仮面編~
―バタンッ
「はぁっ…はぁっ……」
特命捜査課の扉を勢い良く開くと、特捜の奴等がバッと俺を見た。
「灰努先輩!!どうしたんですか?あ、まさか…枝真先輩が元気になったっていう報告ですか!?」
ミノは笑ってそう言ったが、俺には返事する気力が無かった。
…いない……。此処に、あいつの姿が無い。
「…枝真は…いないのか?」
恐る恐る尋ねると、全員が驚いた顔をしていた。
「…枝真?あいつは来ていない。療養中になっているだろう?」
凍海は訝しげに俺を見た。
そうだ…あいつは療養中で…俺が面倒見てて…。
「…灰努…何があった?」
リーダーは俺からただならぬ雰囲気を感じてか、そう尋ねた。
「…枝真が…いなくなった…」
俺の一言で、全員が目を見開く。