刑事の秘めごと~仮面編~


「…お前がいなくなった時、心臓が止まるかと思ったんだぞ…」


灰は怒りを表にしていた。その矛先は、勿論あたしに向いている。


それでも…それを不愉快だとか、腹を立てる気にはならなかった…。


灰や皆には悪いと思うが、嬉しかったんだ…。


誰かに、こんなに必死に探してもらえて…心配してもらえて…。


「わりぃ…ありがとう…」


素直にお礼を言って、軽く頭を下げた。


「心配かけたな…。もう大丈夫だ!短すぎる休暇の賜物だよなぁー」


おちゃらけたように言うあたしを見て、皆はため息混じりに微笑んでいた。


「その分の仕事はちゃんと残しておいた。お前がいない間に起きた事件は12件。まず始めに通り魔殺人事件、被害者は無職で…」

「凍海先輩!!ここまできて仕事の話しなんて止めましょうって」


長々と永遠に語るだろう凍海をミノはすかさず止めた。


勿論、話し始めたら永遠にエンドレスなので正直助かった。


NICE!!ミノ!!

つい叫んでしまったこの一言。あれを止められるのはミノしかいない。




< 193 / 222 >

この作品をシェア

pagetop