愛なんて知らない Ⅲ









『綺麗ごとばかり並べて本当に

ムカツク・・・・

偽善者がっ』




幼い私は悠希を軽蔑するような

氷のような冷たい目で見ていた






「綺麗ごと・・・・」



私が小さく呟く





『そうだよ、お姉さん

こんな言葉で

お姉さんの運命を変えられる?』






「綺麗ごとじゃないよ

俺はただ生きて欲しいんだ!」






『綺麗ごとでしょ?

生きて欲しい?


それなら助けてから言いなよ・・・・』




この目は・・・・

人を蔑む時の目だ







< 106 / 256 >

この作品をシェア

pagetop