アイツは私の初彼氏
初めての意識


 次の朝、私は寝たか寝てないか分からない感覚で目を覚ました。

「……はぁ」

時計を見ると、6時過ぎを指している。

5時前まで記憶があるから、1時間は寝たのかもしれない。


母さんが起こしに来るまで後少しくらいはベッドに入っていられるけど、そんな気分じゃなかった。


ちらっと見えた机には、昨日借りたゲーム誌があった。

そうだ。
いつもならその日の内にすぐ読んでしまうのに。

アイツ―――克幸に渡す時に、その話で持ちきりになって。

「克幸……」

なんであんな事したんだろう?

告白された事からかったから?

怒ったのか?


昨日から、私の頭の中では同じ事が堂々巡りしている。

でもいくら考えても、それ以外の理由が思い当たらなかった。



< 13 / 116 >

この作品をシェア

pagetop