アイツは私の初彼氏
伊波家にて


 その日は久しぶりに旭と帰った。

帰り道にカラオケによって歌いまくったり、ファーストフード店で食べまくったりして、少し気が晴れた。



「ただいまー」

玄関を上がると、キッチンに顔を出す。

「お帰り。今日は遅かったのね」

母さんがリビングの時計を見ながらそう言った。

「うん、ちょっとアキラと寄り道した」

「そう。もしかして何か食べてきた?」

「食べた…けど、それ食べたい」

それ、と私が指したのは母さんの得意料理のビーフシチュー。

私の好物の一つだ。

「分かってるわよ。お姉ちゃん達も遅いみたいだから、同じ時に食べたら?」

「そうする!」

私は上機嫌で2階の自分の部屋に上がろうとした。

「さお、着替えたらお隣におすそ分け持っていってちょうだい」

「えっ!?」



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