アイツは私の初彼氏


けれど、やっぱり目は離せない。

心臓がドキドキと早く動いているのを感じた。


彼女が話終えると、克幸が何か言葉を口にする。

すると、森崎さんは嬉しそうに笑った。



気が付けば私は、自分の制服をグッと握りしめていた。

何だかモヤモヤした気分だ。

「……っ」

それ以上は見ていられない気持ちになった私は、その場を後にする。

教科書は、他の誰かに借りればいいや。



私は、克幸に『彼女出来ておめでとう』って言わなきゃならないのかな?

そう考えると、少し呼吸が苦しくなった。

昨日2人でしたみたいに、プリクラ撮ったりご飯食べたりするんだろうな。

きっと彼女は私みたいに似合わない格好じゃなくて、自然な服装で来るんだ。

そんな事をとめどなく考えていた。



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