アイツは私の初彼氏
高木奏真との距離


 それから、克幸は私を避ける様になった。

朝の登校時はもちろん、下校時も。

たまに校内で顔を合わせても、気まずそうに目をそらす。

たまりかねて私から声を掛けても、返事は返って来ない。

メールを送っても、返信も無く。


そんな数日が続いて、さすがに周囲のヤツらも異変に気が付いて声を掛けてくれたけど、克幸は頑なに何も言おうとしなかった。



「さお、大丈夫?」

ここ数日ぼんやりとしている私に、遠慮がちに旭が話しかけてくる。

「うん」

心配掛けてるんだろうな。
そう思いつつも、気のない返事しか出来ない。

「2人がさ、こんなに離れてるのって初めて見た気がする」

旭が言った。

そうかも知れない。
私と克幸はそれだけ長い時間を共有してきた。

だから克幸に避けられているっていう事実が信じられない。

もやもや。

っていうより、腹が立つ。

イライラ。



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