CHANCE 2 (後編) =Turbulence=





翌日は、朝からスタジオでレコーディングがあり、昼過ぎから雑誌の取材、移動中も取材、夜はラジオのゲスト出演と取材。


帰宅したのは深夜の2時過ぎであった。


その次の日、目が覚めたのは朝の7時前。


正味4時間も寝ていない。


眠たい目を擦りながら浴室へ行き、浴槽にお湯を張っていく。


その間コーヒーメーカーのスイッチを入れ、先日買ってきたコロンビア産のコーヒーをドリップする。


コーヒーが落ちるまでの間にオーブントースターに食パンを2枚入れて4分にセットする。


厚切りのボーンレスハムも2枚コンロで焼いて、皿にのせる。


コーヒーもトーストも出来上がった頃、浴槽のお湯はまだ半分程度しか溜まっていなかった。


トーストに無塩バターを塗り、ボーンレスハムを乗せ、かぶりつく。


それをコーヒーで胃に流し込んで簡単な朝食が終わる。


脱衣場で衣服を脱ぎ捨てて浴室へ入ると、ちょうど良い具合にお湯が溜まっていた。


ゆっくりとゆったりと湯船に浸かり、天井を眺める。


いつの間にか眠って仕舞いそうになったので、浴槽からでて体を洗い髪の毛を入念にトリートメントをして洗い流した。


再び浴槽に入り、10分ほどで上がり湯を浴びてから脱衣場へ。


体を拭き、髪の毛を乾かしてから、ジーパンとTシャツを着て、大学へ向かった。


藤本教授の研究室に行くと、まだ誰も来ていなかった。


しばらく空いている椅子に座って、ぼんやりしていた。


10分程経った頃、院生達が数名ガヤガヤと話しながら藤本教授の研究室へとなだれ込んできた。


俺は立ち上がり軽く会釈すると、この間会った岡崎さんもいた。


『やぁ、高山君!』


「こんにちは!岡崎先輩。」


『藤本教授なら、あと5分程で戻って来るよ。』


「分かりました。」


『ところでさぁ、君たちXYZ って在学中だけ活動するって聴いたけど、卒業したらやっぱり親の会社に入るの?』


「そうですね。

まぁ、今でも親の会社の理事をやっているので、就職していることになっています。」


『じゃあ、あと1年半で解散しちゃうんだ...』

「でも、多分俺はミュージシャンとしての活動は続けていくつもりです。」

『そうなんだ!』


「はい!

まだ音楽活動遣りきった感も無いし、海外でライブ遣ったり、全国ツアーも遣ったりしたいじゃないですか!」


『じゃあ解散しても音楽活動は続けていくんだね!』


「そのつもりです。」
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