CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
1時間後、朝7時少し回った頃、日本にいるアボジ(親父)からメールが入ってきた。
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title: お待た! d=(^o^)=b
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本文:
見えてきたぞ!
滅茶苦茶臭いぞ!
怪しいやつは、近くにいる!
出てきたキーワードは、
極楽鳥
教会
赤い扉
ハーレム
コーヒーショップ
それから、この写真の女性は姉妹だ!間違いない!
右側の妹の方には特に気をつけろ!
嫌な感覚が貼り付いてくる!
それじゃ、そう言うことだから!
がんばりなさい。
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と言う内容のメールだ。
なんか、どっかで聴いたフレーズのメールだったが、そんな事いちいち気にしていられないし、突っ込む暇も無い。
頭をフル回転してキーワードを結び付けようとしたが、なかなか巧くいかない。
取り敢えず、極楽鳥がなんなのか調べてみるとするか。
検索してみたら、極楽鳥と言われる鳥のなかには、タイランチョウと言うのがいることが分かった。
スズメみたいで、背中が黒くて前が白い。
お腹の辺りが黄色いのもいる。
そんな事を携帯でググっていたら、横からジムが、
『何遣ってるんだ?
なんかわかったのかい?
っていうか、鳥の画像なんか見て何してんだよ。
俺のギター探してくれてるのかと思えば、キングバードなんか見て!』
「何だって?
この鳥の名前ってキングバードって言うのかい?」
『そうだよ。
スパロウ(スズメ)の仲間だけど、種類が多くて、南米なんかには赤いのや青いのや、黄色いのもいるよ。
正式名は知らないが、俺達はキングバードって呼んでるよ。
イギリスには、殆ど居ないけどね!
でも、どうして今そんなもん見てるんだい?』
「たまたま見ちゃったって言うか、特に深い意味はない!
ところで、ハーレムって知ってるかい?」
『行ったことは無いけど、セントラルパークの北側だったと思うよ。
イースト ハーレムなんかは、結構治安が悪くて、チャンス君みたいなアジア民族は殆ど居ないから目立つよ。
あそこに住んでいるのは、未だに黒人が多いからね!』
「随分と詳しいね。」
『そりゃあ、ツアーライヴで毎年アメリカには来てるし、4年前のこの大会の優勝者だぜ。
こっちには友人だって居るし、大抵の場所なら一人でも行けるさ!』
「じゃあ、一緒にハーレムに行こうよ。
ちょっと教会を探したいから。」
『なんだよ。
今度は神頼みかい?』
「ギターを探すのさ!」
『どうしてハーレムなんだい?』
「彼女達、昨晩ハーレムの教会がどうのって話をしてたからさ!」
と、うそぶいてみたが、ジムは思いの外、食い付いてきた。