CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
「どうだいテギル君、良い家だろ。」
『はい、高(コ)会長。
これ本当はお幾らぐらいなんですか?』
「聞いたら驚くぞ!
今なら、土地が高騰しているから、全部で10億ウォンくらいするんじゃないかな?」
『10億ウォン!?
マジかよ‥‥‥‥!
高(コ)会長、これを本当に1億ウォンで良いんですね?』
「あぁ、問題ないでしょ!
テギル君にだったら、それで充分だよ。
君には、それ以上の働きができて、後々新星グループのためになる人物なんだから。」
『そんな大袈裟な!
会長、買い被りすぎじゃないですか!?』
「そんなこと無いさ。
ヨンナムの忘れ形見だし、金泉食堂の社長だし、チャンスの友達だし、俺のビジネスパートナーなんだから。
そうだ!今回2号店出店のついでに、個人経営から会社経営に乗り出したらどうだい?」
『無理ですよ。
資本金1億ウォン以上するんですから。』
「それなら、新星グループが融資するよ。
いずれは、ソウル、大田(テジョン)や仁川(インチョン)、大丘(テグ)や釜山(プサン)までチェーン展開して行こうよ。」
『そんなことが出来たら凄いでしょうね!』
「出来たらじゃなくて遣るんだよ。
簡単な事じゃないが、1つずつ遣っていけば、いずれは韓国中にだって出店出来ちゃうんだよ。」
俺のアボジ(親父)が珍しく熱くテギルに語っている。
『頑張ってみます。』
アッ、テギルも乗ってきたぞ!
「俺が筆頭株主に成っておくから、テギル君はしっかり働いて稼いでくれ。
そして、融資した金額を全て返済したら、俺の持ち株全てテギル君に譲渡するって言うのはどうかな!?
そうすれば、テギル君は安心して仕事に打ち込めるし、どうだい?そうしてみないかい?」
『でも、そうしたら高(コ)会長にメリットが無いじゃないですか!?』
「私が君に融資した金額分だけの株を所持すると思うかい!?
それ以上のものを予め買っておくのさ!
今は1店舗だが、直に2店舗目がオープンするだろ!?
そうしたら3店舗、4店舗と増やしていき、テギル君の会社は全国展開で大儲けすれば、株を保有している俺も自ずと大儲け出来ると言うもんだ。
それに、融資するのは新星ファンドだから、幾ら低金利でも儲けは出るしね。
どうだい?俺も大儲けさせてくれるよな!?」
『随分先の話しに成りますが良いですか!?』
「よし、交渉成立だな!
年明けにでも本社で契約を交わそう。
ところで社名は金泉(キムチャン)株式会社とかかい?」
『イイエ!
株式会社 大吉食品(テギルシクプム)
これでどうですか?
縁起の良い名前を親から貰ったので、社名にしたいんですが!?』
「良いじゃん!
社名なら最高に有難い名前だよ。」
『チャンス!社名ならってところが引っ掛かるんだけどなぁ………』
「気にしない気にしない!
でも、テギルん所は奥さんが経理を遣れるから良かったな。
経営学部の経営学科だもんなぁ。」
『兎に角、会社発足の件も家を買う件も女房に相談しないとな!』
と言うわけで、妻と話し合うため一旦家に帰る事となった。