CHANCE 2 (後編) =Turbulence=
 



7月下旬、学校も夏休みに突入した。


前期の試験は、…………まぁ、ボチボチだったが、出席日数がヤバいかも……。


ファーストアルバムの売り上げは、100万枚を軽く突破して、またまた印税が楽しみではあるが、知名度が上がった分、自由な時間が減ってしまった。


バラエティー番組の出演が増えたからだ。


俺は、あまりバラエティー番組への出演は好きでは無い。


しかし、ジョージとケントは喜んでいた。


二人とも、お笑い番組が好きだから、芸人さんとの絡みは生き生きしている。


テジュンは、相変わらずクールに決めているが、KYUは馴れない事にかなり緊張している。


いつの間にか、俺がリーダーみたいな事になっていたから、必然的に俺が喋って、ジョージとケントはボケ倒し、クールなテジュンが冷静なツッコミを入れるのを、ニコニコしながらKYUが眺めているのがパターンになっていた。


番組の中で、共演者の女優やアイドルと馴れ馴れしくしていたら、プライベートが恐ろしい事になるから、皆そこのところは気を付けながらやっているけどね!


特にテジュンの彼女は、怒らせたら恐いんだよなぁ……。


フィリピンハーフのナナちゃんも、凄い焼きもち焼きだから、大変なんだってジョージがもらしてたっけ!


ある日、桧山マネージャーから呼び出しの電話がメンバー全員に入った。


「お疲れさまです。」


『チャンス、新番組が入って来たぞ。

それも、冠番組だ!

今から全員事務所に集合!

詳しい話は、その時にするから。』


「分かりました。

直ぐに伺います。」


電話を切って、直ぐに車を新星MUSICへ向けて走らせた。


3階の小会議室で俺達は、桧山マネージャー、それからひまわりTVの堺プロデューサー、石川ディレクター、渡辺アシスタントディレクターと打ち合わせが始まった。


『皆さん、今回うちの局で、10月から始まる音楽番組のメインを努めて貰いたいんだ。

タイトルは

Q & XYZの

Music History A/Z

って言うんだよ。

どうかな!?』


「ミュージック ヒストリーって言う位だから、音楽の歴史でもたどって行く番組なんですよね?」


『まぁ、だいたいそんなところだけど、詳しくは石川Dから説明します。』


「宜しくお願いします。」





< 46 / 371 >

この作品をシェア

pagetop