一生恋愛


「あいつを!?」



かなり動揺している男子を放って、図書室へ向かう。


あぁぁ言っちゃったよ…。



矢島くんのところにたどり着いても、私の顔の火照りは収まらなかった。



「………高原、顔赤くない?」


「えっ!?これはその…遅くなったから走って来たの!」



さっきのことを思い出し、慌てて言い訳をする。



「………ふーん。」





さして興味なさそうに返して来た矢島くん。

そのとき、いつもと違う少し冷たい雰囲気に違和感を感じたけれど、深入りされなかったことに安堵して、たいして気にはしなかった。





そして、その日から矢島の態度はそっけなく、冷たいものになってしまった。











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