夕焼け色の再会

「そういえば俺、ちょっと考えてたんだけど」


羽島くんがそう切り出した。


「長谷川さん・・・・あ、えっと、今は高橋、さん?」

「長谷川でいいよ」

「じゃあ、長谷川さんはさっき、藤城女学院に通ってるって言ってたけど、あれは嘘ってことだよね」


そういえばそういう設定で話をしていたのだった。

つい数十分前のことなのに、もうそんなことは遠い過去のことのように思えてくる。


「ああ、うん。叔父さまに、藤城に通っていることにしようって言われて。
今はもう私立には通ってないよ。私、もともと下町育ちだから、皇ヶ丘もだけどああいう学校にはやっぱり馴染めないし」


今通っている高校も、最初は皇ヶ丘との雰囲気の違いに戸惑って慣れなかった。

けれど、過ごしているうちにその穏やかな時間の流れが自分に合っていることに気がついた。




「それより、さっきの羽島くんの言葉には驚いたよ。“長谷川さんに会えてよかったよ”って、脅されてるのかと思って、ちょっと怖かった」

「それってあたしに亜美がいるって教えてくれる前だよね?」


笑いを含んだ私の発言に、結衣が反応する。

あのときの羽島くんの言い方は、あまり私に対して好意的でないと思っただけに、今のこの和やかな時間が信じられない。

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