恋心 ~Opposite Nature~
◎04-真夏の修学旅行




「陽呂、ちょっと来い」


夕練が始まる直前、田崎先輩に声を掛けられた。


「監督、山地陽呂です。今朝話した」

「ああ。田崎から話は聞いてるよ、中学時代凄い選手だったんだってな」

「いえ。…昔の話です」

「県大会は無理だろうが、9月の大会に合わせて調整してほしい。田崎と考えて、やれるか?」

「はい。…よろしくお願いします」

「じゃあ田崎、後は頼むわ」


監督が去った後、早速先輩からメニューを渡された。


「県大会まで残り二週間、このメニューを毎日やってくれ」

「わかりました。あの、…これは?」


紙にはランニングと書かれた後ろに"マネージャー付き"とある。


「妃路と走ってくるんだ。つっても、あいつは自転車だけど。おい、妃路」


ちょうど体育館に来た山中を、こっちへ呼び寄せた。







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