複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】
《6月1日》河原が体調を崩す。
母親も風邪を引いているらしく、電車通勤の平松先生の代わりに自宅まで送り届ける事になり、河原の鞄を持って保健室へと行くと、「ママ…」と泣いて養護の先生に抱き締められてる河原を見て、無性に自分が抱き締めたくなった。俺、教師失格だ…。
《6月4日》河原が元気に登校。
安心した俺は「良かったな」と、河原の頭を撫でてしまった。生徒の頭を撫でるなんて初めてだった。河原は「ご心配お掛けしました」と、笑って頭を下げた。もっと甘えて欲しいと思ってしまった。
《7月10日》家庭訪問の日。
平松先生と一緒に回る。今日の最終が河原ん家。甘い香りが立ち込めた玄関先。帰り際に、「持って帰って」と、河原から俺たちはアップルパイを渡された。職員室で食べると、あまりの美味さに、また食べたいと思った。
母親も風邪を引いているらしく、電車通勤の平松先生の代わりに自宅まで送り届ける事になり、河原の鞄を持って保健室へと行くと、「ママ…」と泣いて養護の先生に抱き締められてる河原を見て、無性に自分が抱き締めたくなった。俺、教師失格だ…。
《6月4日》河原が元気に登校。
安心した俺は「良かったな」と、河原の頭を撫でてしまった。生徒の頭を撫でるなんて初めてだった。河原は「ご心配お掛けしました」と、笑って頭を下げた。もっと甘えて欲しいと思ってしまった。
《7月10日》家庭訪問の日。
平松先生と一緒に回る。今日の最終が河原ん家。甘い香りが立ち込めた玄関先。帰り際に、「持って帰って」と、河原から俺たちはアップルパイを渡された。職員室で食べると、あまりの美味さに、また食べたいと思った。