複雑家庭〜私は今日も、幸せです〜【完】

俺が愛車へ走り、車に乗り込もうとすると、兄貴が「逃げるな！！」と、襟首を掴んで来た。



「速いっすねー;;」



「お前より運動神経は良いから」



何て言いながら、助手席へと乗り込む兄貴。

…俺、体育教師なのに;;



「自分の車は？」



ため息混じりに訊くと、「親父に任せた」と言われた。

諦めて、待ち合わせの喫茶店へと車を走らせた。

中込に聞いた特徴の、灰色の髪色（白髪混じり）のおっさんを見付け、目の前に座った。

兄貴はおっさんが逃げないようにか、おっさんの隣に座り、ダルそうに座った。