伝えたい想いは、ありすぎて。
甦る、記憶。





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「アオくん!」


「リサちゃん!?」


どしゃ降りの雨の中、女の子は男の子の名前を必死に呼びながら、駆け寄る


「リサちゃん、ずぶぬれだよ」


傘をささず、懸命に走ってきた女の子は全身びしょびしょ。


「アオくん、いっちゃヤダよー」


女の子はわんわん泣き始め、男の子は悲しそうな、困ったような顔をする


「いっちゃヤダよ…」


その言葉を連呼する女の子は涙と雨でぐしょぐしょだ。









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