CHIME
三時間目
透は不安になり、歩き出した泉を追い駆けた。


「いいのか?あいつ何を書き込むか分かったもんじゃないぜ?下手したら…」


「君が口を出す問題じゃない」


ぽつりと言ってからはっと口を押さえ、ふと首を振る。


「僕はただ…自分の問題に他人を巻き込みたくない。それだけなんだ。」


ふと透を見て、視線を戻す。


唖然として立ち止まる透を背後に、そのまま泉は歩き出した。


透は息を吐き、次の授業に間に合うよう、泉の後を追った。




校長室呼出し事件から、3日たった日の夜、家にいた透は一本の電話をもらった。


「はい、朝霞です」


透の母は、電話を受取一瞬けげんな顔をしてから、小さく呻き声を上げた。


「透、 学校の方からよ。」


顔を青ざめさせ、わなわなと震える唇を何とかかみ締めた様子で、透の母親は透に受話器を渡した。


「はい」


電話が出た透が聞いた声は、幼馴染みの一人、山口だった。


「透…良く聞け」


「どーした山ぐ…」


深刻な言葉に驚いた透の訝しげな言葉を遮り、山口はただ一言、言った。


「後藤が……死んだ」
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