よゐしこのゆめ。
 
輝いてるはずの星だって、目に入らない。


ただ、視界の端には、白いものがぼうっと佇んでる。

まるで、わたしのことをじっと見てるみたいで、気分が悪い。



途中、何度もペースを乱しながらも

気付いたらわたしは、あの公園に来ていた。



もう少しで、あの藤の所だ……



そう気付いたわたしは、何となく走る足を止めて、歩き始めた。


よく来たことのある場所だけど、夜に来るのは初めてだ。



しかも、今日は何かと、ここの藤を思い出すことが多い。



ふらふらとした足取りで進むと、目の前には黒い塊が見えた。


明りは、周りにあるいくつかの街灯と、白い月だけ。


そういえば、あれは満月なのかな?


そう思ってぼーっとしていると、風でも吹いたのか、藤の葉がカサカサと音をたてた。



「こんな時間に女の子が一人歩きなんて、危なくない?」



葉の鳴る音と一緒にそんな声が聞こえた。

少し高めの、男の子っぽい声。


声の持ち主を探そうと、わたしは周りをくるくると見まわした。



「あーやっぱわかんないよねぇ……。上だよ、上」


「え……」



意味はわからなかった。

でも、わたしは言葉の通りに上を見上げた。
  

 
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