震度x
明日の課外もさすがになくなった。

課外がなくなるということは、英語のテストがなくなるということだから、内心では喜んでいた。



3時過ぎの父からのメールの後、東京で仕事中だった姉からもメールが来た。

兄にもメールしたけど、返ってこないそうだ。

だから私も心配して兄にメールを送った。



友達と帰る前に、私の部活の書道部によく来る男の先生に声をかけられた。



「連絡取れたの?」


「あ、いや、お父さんには連絡ついたんですけど、家にはまだ……でも歩いて帰ります」


「そう。気をつけてね」


「はい、さようなら」



そんな感じに軽く会話を済ませると、1号館と体育館を繋ぐ通路の下を通った。


無事に抜けて、亀裂の入ったアスファルトを見ながら昇降口に向かう。


先生が一人いたけど、どうやら自分で急いで取ってきて、ということらしかった。

昇降口に入り、朝履いてきたローファーではなく、ずっと置いていたスニーカーを履いた。


もしかしたら足元が危ないかもしれない、と直感したから。



< 12 / 43 >

この作品をシェア

pagetop