最初最後彼氏!
「奈美。2日後にあいつに会うけど大丈夫か?・・・ケリつけようと思ってんだけど、お前はどうする?来るか?」

「あたし・・・、行く!雄と離れたくないってのもあるけど、修斗のことも気がかりだもん・・・。」

「ふーん。こんな状況でも修斗のことも考えるなんて、いい度胸じゃん?・・・お前は俺のことだけ考えてればいいんだよ。」


といって、意地悪な笑みを浮かべながら顔を近づけてくる。

あたしは咄嗟に横を向いてしまった。


「・・・なにそっぽ向いてんだよ。キスできねぇじゃん。」

「し、しなくていいよっ!」


なんですぐにキスしようとするかな?この人は!


「ハァー・・・。なぁ、奈美?」

「なに?・・・っん!」


しまった・・・。

呼ばれたからつい雄の方を向いてしまった。

隙をつかれなすがままのあたし。

・・・さすがに苦しい!!

雄の胸板を叩くと唇を離してくれた。


・・・が。


「もぅ!苦しっ!?」


離れたと思ったが、再び重なった唇。

今度は深く重なる。

少し経って、やっと離れたときには息が上がってしまった。


「はぁはぁはぁ・・・、殺す気?」

「俺といるのに修斗のこと考えた"お仕置き"だけど?」


お仕置き!?

響きがエロい・・・。

じゃなくて!


「苦しかったの気付かなかったの!?」

「あぁー・・・。」


なにかを企んだ笑み。

これはなんかある・・・。


「わりぃ。気付かなかった。」


絶対気付いてるよね、これ。

笑ってるもん。


「そろそろ教室戻るか。もうそろHR始まるし。」

「えっ?あ、うん。」

「・・・なに?もうちょっと2人でいたかった?」


今日は何回この意地悪な笑みを見るのだろうか。


「違うもん!・・・ほら!早く戻ろ?」

「あぁ、そうだな。」


と言って、手を繋いでくる雄。

ただ教室に戻るだけなのに。

そう思ったあたしだけど、手は離さなかった。



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