最初最後彼氏!
「こちらへどうぞ」

いつもの席に案内する。

最近は雄の専用席みたいになっている。

「いつもの。」

「かしこまりました。」

そう言ってあたしはいつも通りコーヒーを作り雄の前に置いた。

雄がコーヒーを一口飲んでから、あたしに話しかけた。

「今日、一緒に帰るぞ・・・。バイト終わる頃に迎えに来るから・・・。」

「うん。了解。」

少し微笑むと雄も優しい笑顔をくれた。

ドキッ!

・・・最近、雄が微笑んでくれたり、笑ってくれたりすると胸がドキッとする。

何なんだろう・・・?

「奈美?大丈夫か?」

いけない!いけない!相手は雄でも接客中なんだからしっかりしないと・・・。

「大丈夫ですよ。お会計は240円になります。」

「ん・・・。じゃ、後でな。」

「ありがとうございました。」

よし。今は7時半。

今日は9時までだから、あと1時間半!

頑張ろ!!

「なぁ、奈美・・・?」

翔平が話しかけてきた。

「何?どうしたの?」

なにか思い詰めた顔をしている。

「さっきの客って知り合いなの・・・?
 なんか仲良さそうだったから・・・。」

「雄?雄は彼氏だよ。(一応ね)」

それを聞いた翔平は辛そうな顔をした

「そ・・・そうなんだ!奈美にも彼氏がいたんだなぁ・・・。」

「あたしにもって何よ!?あたしにもって!」

「悪い悪い!!冗談!(笑)」

「まったくもぅ!!」

そのあともあたし達は仕事をしっかりやって、やっと9時になった。


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