最初最後彼氏!
思ったよりお客さんは少なくて、ふたりだけが水族館にいるような気分だった。

ふたりで水槽のトンネルをくぐる。

水とお魚たちがキラキラ光っていた。

「綺麗・・・。」

思わず口にしてしまった。

「本当だな・・・。」

雄は反応してくれた。

それがまた、あたしの胸をキュンとさせるんだ。

館内をずっと手を繋いで歩いていた。

でも、雄がいきなり

「もっと近くきてよ・・・。」

と言うものだから意味が分からず首を傾げていたら、

腰に雄の腕が回されて、雄の方に引き寄せられた。

ピタッと密着してしまった。

あたしは恥ずかしすぎてうつむいてしまった。

「奈美、顔あげてよ。」

と言われ、顔を上げた。

「クスッ。やっぱり顔真っ赤。」

恥ずかしすぎて心臓が爆発しそうだよ・・・。


たくさんお魚を見て、お昼時になったので、水族館の中にあるレストランに行った。

「奈美。何食べる?」

おいしそうなものがいっぱい・・・。

「それじゃあ・・・。Aセットにする!」

「じゃあ、俺はBセット。」

また雄が注文してくれた。

「奈美、この後どうする・・・?
 どっか行きたいところあるか?」

行きたいところ・・・?

映画とか買い物とか色々あるけど・・・。

「買い物行きたいんだけど・・・。いい?」

迷惑かなぁ、と思いつつ聞いてみると、

「遠慮すんな。今日は好きなところ連れてってやる。」

「ホントに!?ありがとう!雄!」

すると、雄は黙ってしまった。
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