最初最後彼氏!

親父と婚約者 【雄side】


女なんてただの性欲処理の道具だと思ってた。

遊んで、遊んで、遊んで。

俺の体は汚れきっている。

来るもの拒まず、去る者追わず。

まわりからは「遊び人」だの「最低野郎」だの色々言われてきた。

でも、俺が「遊び人」になったのは理由がある。

その原因が・・・、親父だ。

俺は、自由に育ってきた。だから将来も自分の自由だと勝手に思いこんでいた。だが、ある日突然「お前は将来会社を継ぐ身だ。だから婚約者もいる。明日、ウォーターホテルに行きなさい。そして、婚約者の方と会ってきなさい。」って親父に言われた。

当然俺は、親父の会社なんて継ぐ気はなかった。だから、夜の街に遊びに出た。

でも結局連れ戻されて無理矢理婚約者って奴と会わされた。

「初めまして。佐山花恵です。」

こいつ・・・、なんか嫌な予感がする・・・。

このときの俺の勘は当たっていた。

毎日夜の街で遊んで、家にも帰らなかった。

花恵さんと会ってから3日後くらいか・・・。

いつも通り街を歩いてたら聞いたことのある声がした。

「きゃはは!光一うけるー!」

「だろぉ?んじゃ!このまま行っちゃうか!」

「いえーい!」

まさか・・・、あいつって・・・、

佐山花恵?

声が一緒だ・・・。

でも、外見がこの前より派手だ・・・。

二人はそのまま「HOTEL」にはいって行った。

あの人、彼氏いんのか?

そのときまでは“光一”ってやつのことを“花恵さんの彼氏”だと思いこんでいた。


3日後。また女と遊んで、街をふらついてた俺はこの間とは違う光景を目にしたんだ。

花恵さんがこの前とは違う男と歩いていた。

「隆史ぃ。早く行こうよぉ。」

「わかったよ。」

そしてまた「HOTEL」にはいって行った。

このとき確信した。

佐山花恵は俺と同じ“遊び人”だってことが。





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