最初最後彼氏!
俺は思わず目を疑った。

「なんだよ・・・。これ。」

「やっぱ、さすがの雄でも知らなかっただろ?ここに書いてあること、全部本当だから。」

修斗が渡してきた紙にはこう書いてあった。

“佐山財閥の令嬢、自殺行為。性的暴力を受けたと見られて捜査中。命に別状はない。”

自殺行為?なんでまた?

「なんで修斗がこんな事知ってんだよ。」

「いや、なんかさ、お前の婚約者の顔が見てみたくて色々ネット上で探してたんだよね。そしたら、なんか厳重にガードはられてるところがあって、見てみたらそれが出てきたってわけ。新聞の記事とか、ニュースにならなかったのは、佐山社長が金でもみ消したかららしいぜ?」

「この性的暴力ってのは?」

「あぁ、なんか花恵さんって人も今の雄みたいに彼氏がいたんだって。でも、家のこともあって別れたらしいんだけど、彼氏がどうしても別れたくないって言ったらしいんだけど、無理矢理離されて、彼氏が怒って、彼氏と彼氏の友達二人で花恵さんをレイプしたって。」

「マジかよ・・・。」

俺、そんな人と結婚させられそうだったのか・・・。

このことは親父とも話し合わないとな・・・。

「でも、今すぐに行動を起こすのはやめた方がいいぞ。結婚まではまだまだ一応、時間あるんだろ?」

「あぁ・・・。あと2・3年くらいはある。」

「なら、もっと情報を掴んでからの方がいい。俺も手伝うから。」

「サンキュ。そうしてくれ。」

「おぅ。その代わり、今度彼女に会わせろよな♪」

「・・・ちょっとだけな。」

「じゃ!帰るわ!」

嵐のようにきて、嵐のように去っていったな・・・。

佐山花恵・・・。

本当の正体はなんなんだ・・・?


これは大変な仕事になりそうだな・・・。







修斗・・・。お前が俺を裏切るなんて全く考えつかなかった。


いや、考えることさえ無理だったのか・・・。


俺達・・・、幼なじみでなんでも言い合えるダチじゃなかったのか・・・?

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