右に高橋、左に田中

私は寝てるふりをしていた。

飯東家では
朝から
誕生日会を開き、
準備ができたら
その誕生日の人を
呼びにいくのが 約束だった。


だから、横になって
稜が迎えに来てくれるのを
待っていたのだ。




ところが
いつになっても
どんなに待っても
稜からの
おめでとうは聞こえてこなかった


少し早く起きすぎたのか?

そう思って
時計をみると
午前9時。


誕生日会は
8時くらいには
準備が終わっているはずなのに、
まったくリビングで
音がしなかったのだ。

(わかった!皆ビックリさせようとしてるんだ。)
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