―earthquake― 被災地から伝えたいこと


―3月11日―

いよいよ卒業式当日。

あたしは、3年間お世話になった制服に身を包み、
無事に卒業式を迎えた。



泣きながら歌った学年合唱も終わり、教室に戻って最後の学活・・・


あたしたちは今までお世話になった担任の先生のためにサプライズを用意していた。


そのサプライズとは、
メッセージを書いた色紙とみんなの写真を貼ったコルクボードと、花を1人1本ずつ、一言ずついいながら渡して、最後には大きな花束にする・・・
というもの。

そして最後に合唱コンクールであたしたちのクラスが歌った〈河口〉を歌う。



教室に戻り、みんなで合唱体型に並ぶと、足止めしていた先生を教室に呼んだ。


先生が教室に入ってきた。


合唱体型に並んでいるあたしたちを見た先生の反応は・・・


「お前ら、やなやつだなぁ・・・(涙)」



そう言って・・・
先生が泣いてる・・・



あたしも涙が出てくる・・・


本当に大好きな先生だったから・・・


あたしたち生徒のことを真剣に考えてくれた。

何でも相談にのってくれた。

悪いことをしたときはちゃんと叱ってくれた。


そんな先生ともう会えなくなることが寂しくて・・・

涙が止まらなかった。



花束を渡し終えて、先生が大好きな〈河口〉を歌う・・・

全然歌えなかった・・・
てか、合唱になってない。


それもそのはず。



クラスみんなが泣いていたのだから・・・


あたしは、男子の涙をはじめてまじまじと見た―


普段はふざけてばっかりで先生からいつも怒られてる男子たちが泣いてるなんて・・・

あたしはなんだかすっごく心が温かくなって・・・


ずっと泣いてた。



みんなと別れるのが寂しくて・・・

先生と別れるのが寂しくて・・・







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