赤い狼 壱





「凄い~!銀の《フェロモン極上スマイル》に堕ちねぇ女、初めて見た~。俺お前好きかもー!あ、俺は


上宮 奏(うえみや そう)だよー。奏って呼んでね。宜しくー。」




奏、という男は私の手を無理やり握ってきて思いっきり縦に振る。



い、痛い痛い。どんだけ力強いんだ。そんな小さい体からそんな力が出せるなんて稚春お姉さんはビックリだよ。




唖然としながら連といい勝負ができそうな背をした奏を見つめる。


わわっ。奏の髪の色、青色だぁ…。綺麗。



部屋の明るい照明に照らされて暗いと思っていたブルーの髪の毛が透き通った青色に見える。


まるで海の色のようだな、と思わず見とれた。




塚、奏は元気だね。パワフルだね。でも元気すぎて少し引いてしまうのは私だけ?



未だブンブンと私の手を縦に振る奏に苦笑いを溢す。


いい加減、その動作を止めてほしい。




でも、よく顔を見てみれば目がクリクリしてて、女の子みたいな顔をしてるから

そんなオーバーすぎる行動してても女の子に可愛がられて好かれるタイプだね。



こういうのを世間では、カッコカワイイ~!っていうのかもしれない。


まぁ、私にはよく分かんないけど。




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