思いつくままの詩集
現実感
冷たい風が吹くアスファルトの上でふと立ち止まって空を見上げた

空にはまだ太陽の光が見えなくて暗かった

星達は陰を潜めて殆ど見えない

近くの街灯がやけに眩しくて反吐がでそうだ

そして浮かび上がる疑問

ココハゲンジツナノカ?

当たり前過ぎる景色

当たり前の景色は思考を鈍化させた

混濁する思考

そしてアスファルトが消えた

それを合図に街灯や僅かな星が消えた

私を包み込む夜

暖かくも冷たくもなく

ただ悲しかった

ココハゲンジツナノカ?

その問いが湯水のように湧き出てくる

いつしか思考はその問いに支配された

そして訪れる変化

重力が消えた

夜も消えた

暗闇も光も無い

混沌の世界が私を溶かした

何も考えなくて住む世界

同時に愛するモノを失った世界

気持ちが良い

不安から解放された

何も私を怖がらせるものはない

私は喜ぶ

そして笑う

空虚な心は音を無くして泣いた

このままここに居たい

愛するモノに会いたい

相反する思い

得られるモノはどちらか一つだけ

私は笑った顔ではなく

泣いた心に従った

世界に色が満ちてきた

アスファルトの地面も僅かな星達も眩しすぎる街灯も帰ってきた

ココハゲンジツナノカ?

問いが話しかける

私は問いへと呟く

ここは現実だよ。と

そして私は歩き出した

世界へと



ココハゲンジツデスカ?

アナタハソコニイマスカ?

アナタハソコニイテクレマスカ?

アナタトマタアエマスカ?

僕はここに居ます

多分いつまでも

現実だろうが、そうで無かろうが居ます

見たいモノを見るまではここに居ます。


待って居ます。いつまでも

だから僕はここに居ます
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