思いつくままの詩集
チクタク
チクタクチクタク

暗闇の中で時計の寝息が聞こえる

時刻は4時

星も月も草も風も何もが眠りについている

起きているのは自分だけ

安らかな時間

チクタクチクタク

寝息は続く

今まで何回この音を聞いたのだろう?

わからない

知っている人はいない

僕はもう23年生きてきたのか

改めて気づく

子供の頃に比べていくらかは成長したのだろうか?

チクタクチクタク

沢山の思い出が蘇る

笑い

泣き

怒り

時には人を傷つけ

時には人に傷つけられ

沢山の傷がある

心にも身体にも

もちろん僕が傷を残した人もいる


同じように心にも身体にも

本当に沢山経験した

だが世界の秘密に比べてみると、それは砂粒のようなもの

僕はまだまだ未熟

知らない事は風のように無限にある

知っている事は桜の花びら位

チクタクチクタク

僕はまだ23年しか生きていない

まだまだ世界を覗いていない

秘密を知らない

いつか僕の経験した事は積もって砂時計位になるだろうか

チクタクチクタク

時は動き続ける

砂時計が完成するまで

チクタクチクタクと寝息をたてながら

そして砂が一粒追加された

僕は成長するのだろうか?

そんな問いさえも砂粒の一つ

世界は遠い

世界の秘密はまだ影も見えない

まだ時期じゃあない

知っているよ

だから焦らない

一粒一粒手探りで探す

まだまだ先は長い

砂時計も僕の道も

だから見守ってくれるかい?

チクタクチクタク

まだ起きそうにない

だがその寝息は心地が良い

チクタクチクタク

僕を包む優しい音

そして砂時計への道しるべ

集まった砂粒は手のひらの半分

先はまだまだ長い

チクタクチクタク

わかったよ

進もうか一緒に

チクタクチクタク

暗闇の中の時計は少し微笑んだ
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