桜の木の下で
大切な人
満月の晩が来た。

手には百合さんから受け継いだ弓と矢。

桜の木の前に立つ。

どうすれば力を発揮できるのかしら?

<思いの強さがあなたを導くわ>

「え?」

振り向くと誰もいなかった。
でも、あの声は百合さん。

ああ、見守ってくれているのね。

刹那に対する想い。

「桜の樹よ。お願い私を刹那のいる世界へ導いて。」

強く念じながら桜の樹に語り掛けるとさくらの樹が光った。


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