あたしの愛、幾らで買いますか?
なのに…

今日に限っては、すぐに眠れなかった。

ドキドキして眠れなかった。

目を閉じても、

朔羅の黒い瞳と

笹井の少しだけ茶色の瞳が

チラチラと脳裏をよぎる。


―あゆの目が寂しいって言ってる。


朔羅の言葉が耳から離れない。


朔羅?

あなたは何者なの?

あたしを救ってくれるの?

それとも、どん底に落とす死神?


どうしてだろう、

いつもと同じなのに。

特定の人が脳裏からこびり付いて

離れないなんて。

初めてのことだ。




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