あたしの愛、幾らで買いますか?
1章 安藤歩美
「なんだよ、また来たのかよ」


ここは学校。

高校2年になったというのに、

あたしはクラスに馴染めないで居た。

あたしがガラッと

教室のドアを開けたら、

近くの席の女子が吐くように言った。

あたしは相手にしない。

そんな時間が無駄。

別に、あたし友達とか要らないし…

特に女の言葉ほど

信憑性のないものはない。

目を合わせないやつの

言葉ほど信用ならない。


その点、肌の温もりは裏切らない。

じんわりとする汗、

荒い吐息、

甘い視線…

視線が絡む時の肌の温もりは

嘘じゃない。

その温もりを感じているのは

当人同士なのだから。


あたしは肌の温もりの素晴らしさを

知らない方が可哀相だと思った。


あたしは普段は愛情を感じなくても、


‘その時’


に出る感情は愛情だと思っている。



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