桜に導かれし魂
最後の願い

短い時間

ガチャ。
「お兄ちゃん、おかえり」
「…ただいま」
「…?変なの~」
妙に静かな俺を不振がるこまちをよそに自分の部屋に行きベットに倒れこみ言い聞かせた。
俺は楓の幸せのために楓から離れた。
朱里を救うために体を重ねた。
楓のために…
朱里のために…
俺がやるべきことは全てやった………














少し冷静になれるだけの時間がほしかった。冷静でいるための時間がほしかっただけなのに、神様はそれさえも許してはくれなかった。





「お兄ちゃん!!」
こまちの声に体を起こす。めんどくさいと思いながら扉を開けた俺にこまちが告げた。
「いま玲夜くんから電話があって、かえが発作起こして危篤状態だって……!」
次の瞬間俺は涙目のこまちをおいて走り出していた。
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