孤独との対話が、わたしの楽しみです。【短篇集】
中二のクリスマス・イブ。

登校すると、校庭は一面の銀世界だった。

僕らが住む地域でこれほど雪が積もるのは、数年ぶりのことだ。


放課後も、その風景に変化はない。

むしろ、降りしきる雪の粒は大きくなっていたほどだ。


返ってきた成績簿のことなど、頭の中から追い出した僕は、同級生と雪合戦に興じていた。

一ヶ月前に『さよなら』を告げられた、元彼女が友だちとはしゃぐ様子を、目の端で捉えながら。

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