嫌いなあいつは婚約者
朝、私が早川さんのことを褒めたからって…
それでむすっとしている松田。
まるで子供みたいに…
か、か、可愛い!
めちゃくちゃ可愛い!
目を逸らす松田の視界に入ろうと動く。
覗き込んだ松田の顔は少し赤くて、胸のあたりがじくりと疼いた。
「松田、好きだよ!」
「……知ってるっつーの。」
私は前を、松田は横を向きながらそれ以来何も話さずに歩く。
その間の手は、しっかりと握られていた。
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