意地悪な君が好き

「え~と…チョコスコーンとマドレーヌ」


照れた顔を俯いて隠し、注文されたのを取り、お客さんに渡した。

普通はお持ち帰りだけど、ここでは机で食べてもらうようになっている。

その方が感想聞けるし、嬉しい。



『美紅ちゃん、ちょっといい?』



空賀くん…

そういえばあの日、話し聞けてなかった。



「うん…」



そして、ジュースを一口飲んで、私にこう聞いた。
『咲弥の事好きだろ?』と。

また顔が真っ赤になる。



『やっぱり…
ねぇ、美紅ちゃんはふられるって思ってる?』

「うん」



ふられるって思って、告白出来ない。

私になんて無理。

そう思ってる。



『美紅ちゃん…
気持ち伝えないと、伝わらないよ?』

「そうだよね!私頑張る!」



確かに、気持ち伝えないと、伝わらない。



『頑張って!』

「うん!じゃあ!」



私は持ち場に戻った。



『あいつは告白なんてする人じゃないし…』



そっと呟き、教室を出た秋斗。



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