無気力少年




「元凶は会長の過去って事か」



「そういう事になるかな」




トラは眉間に皺を寄せながらため息を吐いた

それを見て思わず苦笑いしてしまう




「‥して、」


「香山君?」



香山君が俯いたまま小さく声を漏らした



「どうして?‥どうして、すれ違って、“大切”なのに‥離れて」

「うん、」



その声はまるで泣くのを我慢している声で、

俺は無意識のうちに香山君の頭を撫でていた



「俺はッ‥双子が辛いの、嫌
2人には、笑っていて‥欲しい
勿論、池田君達にも」


「うん、」


「香山‥」




やっぱり変、だよな


双子は知らなさ過ぎた
会長は知り過ぎた



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