肉きゅうを触らしてくれるなら

一通り泣き終わったあと、友猫さんは顔を背けしっぽをふり始めた。私は出来事をありのまま彼に全て話した。


「たぶん、彼は私の中に八文の一、いや、もっと小さいと思うんです。それぐらいの存在だったんですよ。でもね、ど真ん中にいたんです。私のハートの心臓だったんです。」


友猫さんが私の顔を見るのは泣いているとき限定なのだろうか。相変わらず全く見ようとしない。


「心臓がなくなったから、全てが動かなくなったような気がするんです。心臓以外は存在しているのに、起動しないんです。どうすればいいと思いますか?別れればいいんですか?知らないフリしていつもと変わらないように接すればいいんですか?」


猫に答えを求めても意味がない。仮に人間だとしても意味はないだろう。答えを出すのは自分自身。そんなこと知ってる。知ってるけど、私一人で抱えたら壊れそうな気がした。どこが?どこだろう…。そんなことも分からない。


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