月物語 ~黒き者たちの宴~

―4―




朝議の後、回廊を歩いていると、一人の男が控えているのが見えた。



一緒に歩いていた光燐が、眉を顰める。



どうやら礼を待っているようだ。



─彼は確か…



「主上、お待ち申し上げておりました。
ご無礼をお許しください。」



式の際、雉院の傍らにいた男である。



その容貌は、はっとするほど美しい。



「無礼であるぞ!」



すかさず光燐が咎める。




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