月物語 ~黒き者たちの宴~


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あれから、雉院の元へしばしば訪れるようになった。



時には、食事や酒を共にした。



雉院とは国について語り合った。



この国のことをよく知っている。



それは当たり前であって、実は礼が驚いたことでもあった。



飛燕には、彼女が王でないと言ったが、雉院は礼よりも王だった。



そう気づかされても、腹立たしさはない。



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