月物語 ~黒き者たちの宴~
2章 安寧秩序 ~赤国と黄国篇~

―1―




礼は、少女に案内されるがままついて行く。



初めにくぐったのも門のようだったが、今礼たちが通っているのが社の門のようだ。



―あぁ、昔の中国みたい。



かつて、図鑑で見た中国王宮の造りと似ていた。



赤色の柱を見上げていくと、色鮮やかに模様が描かれた天井がある。



「お気をつけくださいませ。」



少女は門を降りる階段へ導いた。



その先は、光に満ちていてよく見えない。



一歩ずつ、近づいていく。



風が頬を撫でるように走り去った。







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